建物調査

 

 建築物は、築後何十年と使用され続けます。その間様々なメンテナンス、必要であれば改変を行いながら利用していきます。メンテナンス計画を立てたり、性能を維持保全させるためには定期的、あるいは社会情勢の変化に対応しながら建物調査することも大事です。これは建物の保有する性能を、充分に活用していくためには重要なことと考えます。当事務所は、これら様々な調査も行っています。また、特殊な調査が必要な場合は、建物の所有者、管理者と特殊な調査をする専門企業との間に立ち、専門的な視点からアドバイスも行います。

 

耐震診断のための現地調査

 昭和56年5月31日以前に着工された建物の耐震性能は、現在の耐震設計基準(新耐震)よりも劣る耐震設計基準(旧耐震)で建てられています。これらの建物は、地震災害の時に倒壊などの可能性もありますので、耐震診断を行ってその安全性を確認することが大切です。そのためには、建物を事前に調査することが必要です。また、診断の結果、安全性が確保されていない場合は、耐震改修を行い安全性を確保することも必要です。また、これらの結果を公に公表したり、耐震改修のための補助金制度を利用したりする場合は、耐震診断者、あるいは設計者は、国土交通大臣に登録されている「一般財団法人 日本建築防災協会」の実施する耐震診断(耐震改修)資格者講習を修了しておく必要があります。

◆事例は、木造住宅(在来工法)の耐震診断調査のものです。現地に出向き、露見できるところはもちろんのこと、床下から小屋裏までを様々な手法で調査し、その結果を持ち帰り耐震診断いたします。診断の方法も多種におよび建物の構造、診断後の目的に合わせて方法を選択します。

 
 
特殊建築物等の定期調査

 主に不特定多数の人が利用する建築物を、建築基準法では特殊建築物と定義しますが、一定規模以上の特殊建築物等には、法律で定められた期間ごとに不具合等の調査を行い、調査結果を官公庁に書面をもって報告することが義務づけられています。その種別、規模等は各行政区域によって様々ですが、期間は建築物が3年定期、建築設備(換気設備、排煙設備、非常用照明設備、給水設備、排水設備で対象は各行政区域で様々)は毎年定期となっています。ただし、平成29年度から報告方法、詳細内容は改正される予定です。
◆事例は、鉄筋コンクリート造建築物(3年定期(建築物)と1年定期(建築設備))と鉄骨造建築物(3年定期(建築物))の調査のものです。調査は、目視、採寸、可動状況の確認、風量測定、照度測定などを行います。調査の結果をもとに報告書を作成し、行政に提出します。また指摘事項があれば、改善計画を立てる場合もあります。